
2025年10月25日〜27日、国スポに続いて滋賀県内で開催された「わたSHIGA輝く障スポ」。
県内14会場で熱戦が繰り広げられ、笑顔と拍手があふれる3日間となりました。
障スポは、記録を競うだけでなく、障害のある人がスポーツを楽しみ、新しいことに挑戦する全国大会。今回、福祉先進県として知られる滋賀ならではの取り組みも光りました。
閉会式では滋賀ゆかりの西川貴教さんや八木莉可子さんも登場。スタジアム上空に虹がかかるサプライズも!
この記事では、3日間にわたる障スポの会場で感じた熱気と、“この大会ならでは”の景色を、写真とともに振り返ります。
共生社会を体現する、パラスポーツの祭典「障スポ」
「障スポ」は、全国障害者スポーツ大会の愛称。47都道府県と20政令指定都市から選手約5,600人が集まり14競技が行われました。
障スポの特徴は、記録を争うだけでなく、障害のある人がスポーツを楽しみ、新しいことに挑戦する場でもあること。初めて大会に出場する選手もいれば、自己ベスト更新を目指す選手も。それぞれの「頑張ってきた証」が各会場で繰り広げられます。

今回の滋賀大会では、福祉先進県として知られる滋賀ならではの工夫も光りました。
全会場で県内の福祉作業所の商品がふるまわれ、作業所で働く利用者の方々が直接ブースに立つ場面も。福祉とスポーツが自然につながる、滋賀らしい大会となりました。
それでは早速、3日間の障スポを振り返っていきましょう!
期待と応援の声に包まれた開会式
開会式が行われたのは、国スポと同じ「平和堂HATOスタジアム」。秋篠宮皇嗣同妃両殿下がご臨席になり、式典前のオープニングプログラムには、司会としてお笑いコンビ・ダイアンが登場しました。

67選手団の選手、監督などの役員が次々に入場。最後に滋賀県の選手たちが登場すると、会場からひときわ大きな歓声が上がります。

炬火(きょか)入場では、滋賀県出身でパラリンピック10個のメダルに輝く、パラ水泳界のレジェンド木村敬一さんや、東京五輪トライアスロン銀メダルの宇田秀生さんら4名が走者を務めました。
炬火が点火されると、総勢1,000名の出演者がパフォーマンス。選手や観客も巻き込んで「輝けみんな!」「ゴーゴーゴーゴー!」と盛り上げました。

最後は「私が、あなたが、みんなが、輝く!」のメッセージとともに会場全員でハンドアクション。びわ湖色のタオルでスタジアム全体が美しいブルーに染まりました。
各会場で生まれたドラマと応援の声
迫力の車いすバスケットボール

会場の中でも、ひときわ熱気に包まれていたのが 車いすバスケットボールの試合が行われた「滋賀ダイハツアリーナ」です。
滋賀県チームにはパラリンピックに出場経験のある清水千浪選手と北田千尋選手も在籍していて、スピード感のある攻防は迫力満点!
とくに滋賀県チームがボールを奪って速攻に転じるシーンでは、会場中から「いけー!」「ナイス!」と熱い声援が飛んでいました。

試合後には選手の激闘を称える大きな拍手も起こり、会場がひとつになった瞬間でした。
水泳会場では大会新記録が続出
「インフロニア草津アクアティクスセンター」で行われた水泳競技では、大会新記録が続出しました。

地元・守山市出身の南井瑛翔選手は、東京・パリと2大会連続でパラリンピックに出場したトップスイマー。この日も、50メートル背泳ぎと50メートルバタフライでいずれも大会新記録を樹立。地元の期待に応える泳ぎを見せました。

さらに滋賀県チームは、男女混合4×50メートルフリーリレー(知的障害)で日本新記録を8秒以上も更新!
ボッチャは金メダル!天国の仲間へ届けた勝利
甲賀市で行われたボッチャ競技。会場には、今年5月に亡くなった県内トッププレイヤー・江川拓馬選手の遺影が飾られていました。

佐賀障スポで金メダルを獲得し、連覇を目指していた江川選手。その想いを胸に、滋賀県チームは金メダル1個、銀メダル2個を獲得。
その健闘は、江川選手への大きな報告となりました。
地元開催の力。過去最多174個のメダル獲得

今大会で地元・滋賀県選手団は、過去最多となる174個のメダルを獲得!
前回の佐賀大会での47個から大幅に増え、地元開催の後押しを受けた結果となりました。
金メダル87個、銀メダル53個、銅メダル34個(うち団体競技1個)という素晴らしい成績です。

陸上競技 には、三日月知事も応援に駆けつけ、地元の園児たちと一緒に観戦。
「がんばれー!」と精一杯の声援を送る姿がとても微笑ましく、スタンドが優しい空気に包まれていました。
虹と拍手で彩られた閉会式

大会の締めくくりとなった閉会式は、まさに“滋賀がひとつになった瞬間”でした。
閉会式が始まった直後、スタジアム上空には大きな虹が架かるサプライズ!
虹の発生が多いと言われる滋賀ならではの、粋な演出が選手たちの健闘を称えました。

司会としてステージに登場したのは、滋賀県出身の女優・ 八木莉可子さん。
さらに、わたSHIGA輝く国スポ・障スポPR大使の西川貴教さんが特別ライブを開催!会場は一気にヒートアップし、選手団も観客もノリノリに。西川さんの迫力ある歌声に合わせて、体を揺らしながら手拍子が響きます。

印象的だったのは、すべての選手がフィールドを後にするまで、滋賀県選手団と西川さん、八木さんが「ありがとう!またね!」と手を振り続けていたこと。
最後の一人が退場するまで、温かい拍手と笑顔で見送る姿に、滋賀らしいおもてなしの心が表れていました。
会場を温めた、滋賀ならではのおもてなし
大会を盛り上げたのは、選手たちの熱戦だけではありません。県内各市町が工夫を凝らした「おもてなし」も、大会を彩る大きな要素となりました。
特筆すべきは、すべての会場で福祉作業所の商品がふるまわれたこと。あおばなクッキー、滋賀の丁字麩おふらすく、昔ながらのかきもち、そば粉クッキー。県内の障害福祉サービス事業所が作った商品が、各会場で来場者にふるまわれました。
そして何より印象的だったのは、福祉作業所で働く利用者の方々が、実際にブースに立って直接手渡していたこと。選手や観客と触れ合い、障スポの雰囲気を肌で感じる。利用者にとっても、貴重な経験となりました。

あいにくの雨模様となった26日。愛荘町のアーチェリー会場では、温かい豚汁のふるまいが行われました。
雨の中で競技を見守る観客にとって、心も体も温まるおもてなしです。

また、愛荘町の伝統工芸品・びんてまりには、大会公式キャラクターのキャッフィー・チャッフィーバージョンが登場!
びんてまりストラップはお土産にも大人気で、多くの人が手に取っていました。

甲賀市のフライングディスク会場のおもてなし広場で配布されていたのは、手裏剣型クッキー。
忍者の町として知られる甲賀市ならではのおもてなしです。
ふるまいの商品は、どの会場でもすぐになくなるほどの大好評ぶり。福祉とスポーツが交わる、まさにパラスポーツの裾野を広げる取り組みとなりました。
新たな取り組みと、滋賀が示した“これから”
大会の開催前から、県内各地ではパラスポーツの体験イベントやトークショーを開催。
7日前からは、滋賀県ゆかりの選手をはじめとするトップアスリートからのカウントダウン動画でも期待を高め、滋賀が一つになって、選手たちを応援する機運を高めてきました。
大会中は「障スポチャンネル」で、全14競技をライブ配信。決勝戦には実況も入り、会場に足を運べなかった人も、熱戦を楽しむことができました。
配信は大会後もアーカイブとして残り、いつでも視聴可能です。

競技会場に設置された「おもてなSHIGAエリア」は、市町の積極的な協力や、地元企業・団体のサポートがあり実現したもの。
福祉作業所の商品ふるまいや、地域ごとの工夫を凝らしたおもてなしは、スポーツと福祉が自然につながる滋賀らしい取り組みでした。
こうした姿勢は、次回開催地の青森県からも「滋賀の盛り上がりを参考にしたい」と言われるほど。福祉先進県・滋賀だからこそできた大会が、これからのパラスポーツや共生社会のモデルになっていくはずです。

3日間にわたって開催された「わたSHIGA輝く障スポ」。10月初旬の国スポに続き、県内各地で熱戦が繰り広げられました。競技の舞台になった会場、福祉作業所とのコラボレーション、そして選手と観客が交わした無数の拍手と声援。その一つひとつが重なり、忘れられない景色が県内各地に広がりました。
福祉先進県・滋賀だからこそできた、スポーツと福祉が自然につながる大会。この経験は、パラスポーツへの理解を広げ、きっとこれからの共生社会にもつながっていきます。
10月初旬の国スポ、そして障スポ。44年ぶりの開催となった「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」は、こうして終幕を迎えました。
「湖国の感動 未来へつなぐ」――大会のメッセージ通り、選手も、応援する人も、支える人も。誰もが輝いた3日間でした。
(文・福本明子)
(公開日・2026年 2月5 日)
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