#040 滋賀から世界へ!スノーボード界の新生・清水さら選手の挑戦!

清水さら選手

「実家の屋上から、大好きな琵琶湖が見えるんです」と明るい笑顔で話す清水さら選手は、滋賀県大津市出身の中学生で、15歳にして世界の舞台で戦うプロスノーボーダーです。

小学5年生の時、アマチュアの全日本スノーボード選手権大会で最年少優勝を果たし、プロ資格を取得。
今シーズンは、自身2度目の出場となったワールドカップで初優勝、冬季アジア大会も制するなど快進撃が止まりません!

来年に迫る2026年冬季オリンピックを目標に走り続ける、清水選手の素顔に迫ります。

目標はオリンピック。小5でアマチュアの全日本優勝!

幼少期の清水さら選手

清水選手のスノーボードデビューは4歳。スノーボードが趣味だった両親の影響で始めました。小学1年生の頃、プロスノーボーダーの中野智裕コーチに出会い、ハーフパイプ競技を本格的に始めました。

「最初はめちゃくちゃ下手でした。でも何度も練習して、やりたかった技が出来た時の達成感がすごく好きなんです。まずはアマチュアの全日本選手権で優勝してプロに昇格することを目標にしていて、小学5年の時にそれが叶いました。すごく嬉しかったので、次はもっと上を目指したいと思い、オンピックが新たな目標になりました」と振り返ります。

幼少期の清水さら選手

それからは、オリンピックを見据えて筋力トレーニングにも力を入れ、2023年全日本スキー連盟の「全日本スキー選手権スノーボード」で2位。翌2024年2月には、韓国で行われた「江原2024冬季ユースオリンピック」で銀メダルを獲得し、世界の舞台を経験しました。
さらに同年12月「FISワールドカップハーフパイプ第2戦」で悲願の初優勝。清水選手は確実に、オリンピックの舞台へと近づいています。

「ユースオリンピックの時は、海外の大きな大会が初めてで、すごく緊張しました。でも、その経験のおかげで、あまり緊張せず、その後はリラックスして大会に出られるようになりました。ただ、世界はやっぱりレベルが高いなって。技の数とか、まだまだ実力不足なところもあるので、2026年のミラノ・コルティナオリンピックまでにもっとレベルを上げて、余裕で勝てるようになりたいです」と意気込みます。

家族と地元の支えが原動力に!試合に勝って恩返ししたい

「憧れの選手は、オーストラリアのヴァレンティノ・グセリ選手です。技の高さもあり、ハーフパイプだけじゃなくて、スロープスタイルやビッグエアでも活躍していて。両方できるのが格好いいですね」。

清水さら選手

今シーズンも数々の大舞台で活躍を続ける清水選手。世界のトップアスリートたちと競い合う際、気負いやプレッシャーを感じることはないのでしょうか。

「年齢とか関係なく、一緒に大会で戦う仲間だから、選手同士はみんな仲がいいです。私はワールドカップに出場する前から海外で練習していて、技を学びながら仲良くなっていきました。トップ選手からたくさんの刺激を受けています」。

清水さら選手

清水選手は、現在、京都市内の中高一貫校に通う中学3年生。2025年春から高校生になります。
日本にいる時は、学校に通いながら毎日練習し、休日にはハーフパイプ施設のある岐阜県や愛知県内のスキー場へ。オフシーズンは、ニュージーランドやアメリカ、スイスなど海外でも練習を重ねます。

「毎回遠征や大会に行くために、お金も時間もすごくかかるので、両親はもちろん、応援してくれるみなさんにも本当に感謝しています。その分、いい結果を出して恩返しできたら」と話す清水選手。

 

ヤマゼン

契約アスリートとして所属する「ヤマゼン」は、大津市に拠点を構える山﨑砂利商店のグループ企業。ジュニアスポーツ選手の育成やマネジメントを担っています。清水選手の練習メニューも、専属コーチと相談しながら考えているそう。

編み物にワカサギ釣り!? 滋賀っ子スノーボーダーの素顔

競技では、高さ3.5メートルを超えるダイナミックなエアや高難易度の技も決める清水選手ですが、実は意外な一面も。

「ボールも遠くまで投げられないし、ラケットとボールの距離が分からないからテニスも苦手。卓球は球技の中では得意だけど、スポーツ万能ではないです」。

清水さら選手

(公式Instagram@osaradonより)


 

今後は、得意科目の英語にも力を入れていきたいと話します。スノーボード以外に夢中になっている趣味や、好きな食べ物について聞いてみました。

「最近の趣味は編み物です。飛行機に長時間乗る時の暇つぶしにちょうどいいんです。お母さんと兼用で着られたらと思ってセーターも編みました。好きな食べ物はピーマン。お母さんがよく作ってくれるピーマンの肉詰めが大好きです」。

釣り好きな父の影響で、幼少期から魚に触れる機会も多く、冬になると家族で琵琶湖へワカサギ釣りに行くこともあるそう。

「一番落ち着くのはやっぱり実家。琵琶湖も好きだし、滋賀の空気も好き」。

滋賀愛が垣間見える、素敵なエピソードが聞けました。

目指すは2026年冬季五輪!新技で頂点へ

清水さら選手

「得意にしているのは縦回転。オリンピックでは、ダブルコーク1080(空中で縦2回転、横3回転する技)を決めたいです。女子でトライしている選手が少ないので、勝つためには必要な技なんです。この技に挑戦して、オリンピック金メダルを目指したいです!」。

最後に、読者に向けてメッセージをもらいました。

「滋賀県の人はすごく温かいし、いつも応援してくれるから元気がもらえるんです。私もみなさんに元気を与えられるような結果を残したいです」。

清水さら選手

(公式Instagram@osaradonより)


地元の熱い応援に応えるように、2025年2月13日に中国のハルビンで行われた冬季アジア大会で金メダルを獲得!
ますます勢いに乗る清水選手の活躍に期待が高まります!

(文・香川けいこ/写真提供・ヤマゼン)

 

しがスポーツSTORY一覧へ