#028 絶景の山々を走り抜ける!滋賀のトレイルランニングが、注目を集めています!

トレイルランニング

滋賀といえば、琵琶湖!
では、琵琶湖に背を向けてみると、何が見えるでしょう?
そう!美しい山々!
周囲をぐるりと山に囲まれた滋賀県は、じつは面積の半分が森林。

そんな山野をフィールドに走る「トレイルランニング」、略して「トレラン」の人気が高まりつつあります。
登山道や林道などの未舗装路を走るだけに、危険も隣り合わせのスポーツ。どういった注意が必要なんでしょう?

トレランの魅力や、注意することなど、滋賀で活躍するトレランチーム『シガウマラ』さんに聞いてきました!

走った先に絶景が広がる!

今回、お話を伺ったのは『シガウマラ』代表の奥村康仁さん(写真・右)と、メンバーのひとり西裕隆さん(写真・左)。

シガウマラ 西さん、奥村さん

「トレイルランニングという言葉が、日本で認知されだしたのは20年ほど前のこと。まだ比較的新しいスポーツなんです」と奥村さんが教えてくれました。

トレイルというのは未舗装路のこと。一般的にはハイキングコースや登山コースを走ります。平らなロードを走るのとは違い、足元が不安定で、アップダウンもあります。

ただ、大自然の中を走るだけに、きれいな空気や見晴らしの良い景色は格別!

奥村さん

奥村さんが山を走るようになったのは、もともと好きだったクロスカントリースキーがきっかけだったとか。「夏場のトレーニングで山を走るうちに、冬はスキー、夏はトレイルランに夢中になっていきました」。

一方、西さんはアウトドア用品のカタログに載っている写真を見て、山を走るのも気持ちよさそうだと、平地から山に移行。「自然の中に身を置くことが気持ち良くて」と、いつの間にかトレイルランの沼にハマっていたそう。

山を走るようになったきっかけは、人それぞれです。

山頂からの琵琶湖の眺め

滋賀県には日本代表の選考会にもなっている「比叡山インターナショナルトレイルラン」や、小学生でも参加できる短い距離の大会など、初心者から上級者向けまでたくさんの大会が開かれています。

山の頂上から見下ろす琵琶湖の絶景はランナーから大好評!苦労して駆け上がり、やっと辿り着くひらけた場所から見る琵琶湖は、その経験をした者にだけ与えられる特別な景色です。

滋賀を中心に活躍する“シガウマラ族”

シガウマラの誕生は、さかのぼることおよそ9年前。
2014年夏に兵庫県川西市で行われたトレイルランニングの大会がきっかけでした。

関西全域から参加者が集うなか、上位1~5位を滋賀県大津市民が席巻したのです。こんな偶然はそうあることでもないと懇親を深め、一緒に練習を始めました。

シガウマラ集合写真

「シガウマラという名前は、メキシコの先住民族で、人類最強の走る民族とも言われる”タラウマラ族”からとったんです」と奥村さん。じつは奥村さんも上位5人のうちのひとり。

数多くの大会で成績を残す実力者が在籍するシガウマラは、トレラン界隈では一目置かれる存在となり、そのメンバーは“シガウマラ族”とも呼ばれるとか。

「実際には、初心者から日本を代表するような実力者ランナーまで、老若男女あわせて88名が所属しています。決まったルールや活動はありませんが、メンバー同士が自由に交流して、一緒に練習したり、大会に参加したり、楽しく活動しています」。

滋賀県民に限らず、滋賀の山を愛する人々が集まったチームなんですね。

トレランで鍛えられた心身は、日常生活にも生かされる

トレイルランニング

奥村さんは、トレランをはじめて、心身ともに健康になったそう。
「石山から京都まで通勤してるんですけど、雪や台風で公共交通機関が動かなくなって帰宅難民になっても、走ればいいやって」。

本格的なレースはけっこうハードですが、もっとライトな部分もトレランの楽しみ方のひとつ。

普段は近所の裏山を走ることがほとんどという西さんは、トレランはランニングよりもコミュニティが小さく、仲間が増えたと話します。

トレイルランニング

「トレランのウェアを着ている人を見かけたら思わず声をかけちゃう。山では、ハイキングの人とも話をしたり。山や自然を共に楽しむ仲間として気持ちを共有しやすいからかな。山のゴミを拾いながら走る人もいますよ」。

山に足を踏み入れるときに気を付けたいこと

自然と共生するスポーツだからこそ、自然や地域への配慮は欠かせないマナーです。

トレイルランニング

山を走っていると当然、ハイキングを楽しむ人や、シカやクマなどの動物にも遭遇します。ハイカーや動物を見かけたら、少し遠くから歩くようにすること。すれ違うときには挨拶をして、皆が心地良く山を楽しめるように配慮をしていくことが大切です。

また、自分の身の安全を守ることも、最重要のマナー。迷ったり事故に遭ったりしたら、周りの人たちにも心配や迷惑をかけることになります。命の危険が伴うスポーツだということも忘れてはなりません。
登山ルートを故意に外れないことは当然守るべきルールですし、水や食料、応急処置ができる最低限の装備は自分で用意しておくことが大切です。また、何かあったときに備えて、常に余力を残しながら走るようにしましょう。

トレランというスポーツを通して、滋賀の山に親しみ、向き合う姿勢を教えてくれた、シガウマラの奥村さん、西さん。貴重なお話をありがとうございました!

シガウマラの活動を知って、トレイルランニングに挑戦してみたくなった方もいるのではないでしょうか?自分の身の安全と、周囲の人や自然への配慮も忘れずに、チャレンジしてみてください!

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