#20 金メダリストの大橋悠依選手、木村敬一選手に「滋賀県県民栄誉賞」が贈呈されました!

2021年10月18日、滋賀県庁知事室で滋賀県出身の競泳選手、大橋悠依さんと木村敬一さんに、初となる「滋賀県県民栄誉賞」が贈られました!

東京2020オリンピック・パラリンピックでのお二人の快挙をたたえ、新しく創設された賞です。

オリンピックとパラリンピックの金メダルを手に、笑顔で見比べているのは、三日月大造・滋賀県知事。

オリ・パラの金メダルが揃うという、貴重な機会ともなりました。
しかも偶然にも、この日は大橋さんの誕生日!

終始和やかなムードで進んだ、贈呈式の様子をレポートします。

県庁玄関ではたくさんの人が拍手でお出迎え!

県庁に最初に入ってきたのは、東京 2020 オリンピック・競泳で見事二つの金メダルを獲得した大橋悠依さん。

今日のスーツは、オリンピック閉会式で国旗を持って入場したときと同じもの。そう聞いただけでもあの感動がよみがえってきます。

続いて入ってきたのは、東京2020 パラリンピック・水泳で金メダルと銀メダルを獲得した木村敬一さん。

4度目の挑戦で、初めて手にした悲願の金メダルが胸元で最高の輝きを放っています!

出迎えてくれた人たちに笑顔で応えながら、お二人は贈呈式が行われる知事室へと向かいました。

夏季五輪で日本女子史上初の2冠達成!

まずは大橋さんへ知事より滋賀県県民栄誉賞の贈呈です。

自身にとって初めてのオリンピック挑戦。その大きな舞台で、日本競泳女子初の快挙となる二つの金メダルを獲得しました。

しかも、滋賀県出身でオリンピックの個人競技種目で金メダルを獲得したのも大橋さんが初めてなんだとか。

異例の“初”づくしです!

大橋さんといえば、二つ目の金メダルをとった200m個人メドレー決勝。フィニッシュした瞬間に電光掲示板を振り返り、水面をたたいてガッツポーズした姿が印象的でした。

レースのときとは違い、今日はリラックスした表情。

記念品の琵琶湖の水草で着色したガラスの花瓶を「きれい」と眺める様子も。

大橋さんは、彦根市出身。三姉妹の末っ子でお姉さんの影響で、6歳から水泳を始めました。高校は県内のスポーツ強豪校、県立草津東高校へ進学。高校2年のときに、日本競泳界のトップ選手を育ててきた名将・平井伯昌コーチに素質を見いだされ、東洋大学へ進学しました。

その後、思うように記録が伸びず苦しんだ時期もありましたが、2017年には、初の世界大会で日本新記録をたたき出し銀メダルを獲得しました。そのときには「県民スポーツ大賞特別賞」を受賞しています。

当時の様子は「しがスポーツSTORY#003」でも紹介しています。

パラリンピック4大会連続出場。単身渡米して挑んだ金メダル!

同じく「滋賀県県民栄誉賞」を受賞したのは、全盲のスイマー木村さんです。賞状の大きさを手で触って確認しながら、うれしそうに受け取っていただきました。

木村さんは、北京・ロンドン・リオデジャネイロ・東京と、パラリンピックに4大会連続で出場され、ロンドンで銀メダル1、銅メダル1、リオで銀メダル2、銅メダル2を獲得されたパラ水泳界のトップスイマーです。しかし、その現状に満足せず、2018年からは東京大会での金メダルを目標に、単身渡米して練習に打ち込んだ努力の人でもあります。

「今大会は予選を終えて、自信8割、不安2割でした。というのも、僕たちのレースには、まっすぐ飛び込めるかとか不安要素がつきものなんです」とレースを振り返る木村さん。

自信を持って臨んだ前回のリオ大会が銀メダルに終わったことも脳裏をかすめたといいます。

そんな大きなプレッシャーをはねのけ、100mバタフライS11でついに目標だった金メダルを獲得!表彰台の上に立ち、国歌を聞きながら号泣する木村さんの姿に胸を打たれた人も多かったと思います。

近江牛に近江米! 滋賀らしさいっぱいの副賞に思わず笑顔

副賞は、近江牛をはじめ、近江米・湖魚・近江茶など、滋賀の名産品がたくさん!

贈呈式の一昨日にも近江牛の焼き肉を食べに行ったという肉好きの大橋さんも大喜びです!!

メダルよりも大きな近江鉄道特別乗車券まであって、大満足の様子のお二人でした。

贈呈式後に行われた会見の様子もお伝えします。

大橋さん単独インタビュー「オフシーズンにやってみたいことは?」

――本日、木村さんと一緒に県民栄誉賞を受賞されましたが、感想をかせてください。

滋賀県民としてこういった賞をいただけて本当に光栄に思っています。木村さんとは、オリンピックとパラリンピックではありますけど、種目は共通してて、なんか不思議な縁があるのかなと。二人で受賞できてうれしいです。

――東京オリンピックから3か月がちましたが、今のお気持ちは?

少し落ち着いてきて、自分が金メダルを獲れた要因がどこにあったかとか、金メダルをこの先にどう繋げていけるのかなどを考えたりしています。自分や滋賀県のために使えることもたくさんあるので、やりたいことが増えました。

――年内はオフシーズンということですが、滋賀でやりたいことは?

う~ん、それ、よく聞かれるんですけど……。「びわ湖テラス」にはずっと行きたいと言ってますね。今日の午前中は、母校の草津東高校に行ったんですけど、懐かしい先生に会えてうれしかったです。

――充電期間の後、来年は世界水泳、3年後にはパリも控えていますが、大橋さんのでこの先はどう考えていますか?

来年の福岡での世界水泳は出場すると決めてますが、3年後はまだ考えられていません。でも、今回のオリンピックで金メダルは獲れましたが自己ベストではなかったので、とくに200mの個人メドレーは自己ベストにこだわって目指していきたいと思っています。

――大橋選手にとって滋賀はどんな場所ですか?

東京とは全く違う場所で、帰ってくると落ち着きますね。自分のことを知ってる人もたくさんいるし、安心感があって。滋賀でもまだまだ行ったことがない場所もたくさんあるし、いろんな所へ行ってみたいです。

――滋賀県民へメッセージをお願いします

たくさんの応援ありがとうございました。オリンピック前からたくさんメッセージをもらっていて、その一つ一つが自分の力になって大舞台で力を出すことができました。今後もいい結果を求めていくので、応援よろしくお願いします。

――最後に、今日がお誕生日ということですが…

はい、今日の日程についてはほんとに偶然なんですけど、いい結果を残せた年の誕生日にこんなに大勢の人に祝ってもらえるなんて、すごくうれしいです。26歳として恥じぬよう生きていきたいです。

木村さん単独インタビュー「滋賀が与えた影響は?」

――大橋さんと一緒に、県民栄誉賞を受賞されての感想をお願いします。

たくさんの県民の方から応援いただいたことを改めて感じ、今後はこの賞にふさわしい人間になれるよう精進しようと思います。大橋さんは同じ滋賀県出身で、しかも水泳で活躍されていたので、前から応援していた選手でした。こうしてオリンピック・パラリンピックの選手が一緒に並べたということに、社会の変化を感じてうれしく思います。これからも、オリンピックとパラリンピックを並べて表記してもらうことが増えると思うので、パラリンピックの選手たちは、障害に甘えることなく、アスリートに負けないようなエネルギーで競技に向かうことが必要だなと思いました。

――レースから1月半が経ちました。気持ちの面で変わったことはありますか?

安心して毎日を過ごせています。金メダルを獲るまでは、毎日がそのことにとらわれていて他のことは考えられない気持ちでしたけれども、今はいろんなものに目を向け、素直に吸収できるようになりました。

――レース直後は「とりあえず泣きたい」と言っておられましたが…

泣きたいって言ってたんですけど、実際は疲れすぎて家に帰ったら寝てました(笑)

この1か月は、プールには数えるほどしか入ってなくて、お世話になった方々にお礼にまわったり、イベントに出演させてもらったり、まだまだ余韻に浸ってる感じです。ロンドンはメダル獲得が目標だったので達成感はありましたが、リオは悔しい気持ちで帰国した感じでした。今は自分の人生の中で一番高い目標を達成した状態なので、これから自分がどういう道に進むのか、いろんな選択肢を増やせる状況になったなと思っています。

――そうしたで、今後の目標も考えるようになるかと思いますがの気持ちは?

まだ、ほぼ白紙ですが、これからいろいろな方に相談しつつ、金メダルや県民栄誉賞にふさわしい人間になれるよう成長していくことが、当面の目標です。

――久しぶりに滋賀に戻られと思いますが、地元はいかがですか?

帰ってきたときに温かく出迎えてくれる人がいる場所があることは本当に幸せなことだと思っています。

――木村さんので、滋賀が影響を与えた部分はありますか?

僕が最初に通ったスイミングが、彦根にあったんですけど。今でこそ、障害を持った子がスイミングスクールに通える環境は整ってきつつあると思いますが、今から20年以上前に、僕の障害を理解して受け入れてくれたスイミングスクールがあったことがすごいなと思うし、そこがあったからこそ今の僕があると思っています。

――県民へメッセージをお願いします。

滋賀県のみなさん、本当にたくさんの応援ありがとうございました。自分の目標としていた金メダルまで9年かかりましたが、獲得することができて今は幸せな気持ちでいっぱいです。これからもよろしくお願いします。

スポーツの力で滋賀を元気に!

改めて、県民栄誉賞を受賞された大橋悠依さん、木村敬一さん、おめでとうございました!
お二人をはじめ、オリンピック・パラリンピックに出場されたアスリートの皆さんが全力で競技に向き合うひたむきな姿は、県民の皆さんに勇気と希望を与えてくれました。

2025年には滋賀県を舞台に「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ2025」が開催されます。

スポーツには「する」「みる」「支える」楽しみ方があります。みなさんも、さまざまな楽しみ方でスポーツに関わってみてはいかがでしょうか?

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